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未経験から保育士を目指すなら、保育所保育指針について知ろう! #2詳細編①
以前のコラムでは、未経験から保育士への転職を考えている方に向けて、保育所保育士指針について解説いたしました。
まだお読みでない方は、以下のリンクよりご覧ください!
未経験から保育士を目指すなら、保育所保育指針について知ろう!
今回は引き続き、未経験から保育士への転職を考えている方に向けて、保育所保育指針について解説していきたいと思います。
前回は、保育所保育指針の概要だけお伝えしたので、今回は具体的にはどのようなことが書かれているかについて解説していければと思います。
前回のおさらい
前回のコラムでは、保育所保育指針とはどういったものなのか、どういった背景で制定されたのかについて解説いたしました。
簡単におさらいしますが、保育所保育指針とは厚生労働省が公開しているもので、簡単に説明すると「子どものたちの成長のために、保育所や保育士に対してやるべきことをルール化したもの」と捉えていただければと思います。
将来の日本の社会を背負う子どもたちのために、それぞれの保育所や保育て、それぞれ勝手なことをしていてはよくありません。
なので、国が守ってほしいことや努力してほしいこと、それぞれの保育所の裁量に任せるものなどを、保育所保育指針にまとめたといった感じです。
以下のリンクから、実際の保育所保育指針をご覧いただくことは可能です。
見ていただければわかると思いますが、中を見てみるとかなり長く、全て目を通すだけで日が暮れるようなボリューム感です。
今回はそんなボリューム感のある保育所保育指針を、未経験から保育士への転職を検討している方に向けて、分かりやすく解説していきます。
保育士未経験の方でも、分かりやすく解説していくことを心がけていきますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
5つの章に分かれた「保育所保育指針」
前述したとおり、非常にボリューム感のある保育所保育指針ですが、紐解くと5章で構成されていることが分かります。
【保育所保育指針の5つの章】
第1章 総則
第2章 保育の内容
第3章 健康及び安全
第4章 子育て支援
第5章 職員の資質向上
保育所保育指針は、上記の5つの章で構成されています。
前回のコラムでもお伝えしたとおり、この5つの章それぞれをもとにして、保育所や保育園などは子どもたちへどういったことを行うべきかを議論し、保育園として何をすべきかを年間計画などに落とし込みます。
第1章の総則では、保育所の役割や目標、保育の方法や環境といった保育(養護を含む)の基本的なことについて記載されています。
第2章の保育の内容では、乳児保育についての狙いや内容にはじまり、1歳以上3歳未満の保育について、3歳以上の保育についてなどが、年齢別に記載されています。
第3章の健康及び安全では、子どもの健康支援にはじまり、食育の推進、環境・安全管理などが書かれており、第4章の子育て支援では、保育所における保護者との信頼関係であったり、保護者への子育ての支援についてが書かれています。
第5章の職員の資質向上では、保育所職員に求められる専門性をはじめ、保育所・保育園が組織としてどうあるべきかについて記載しています。
ざっと羅列してみましたが、この章がそれぞれ何10ページもわたり書かれているので、非常にボリューム感があり、最後まで読むのはなかなか厳しいと思います。
それだけのボリューム感のため、保育所保育指針をこのコラムで事細かに説明するのは難しいので、重要な部分だけかいつまんで説明させていただきます!
重要な部分は解説していきますので、まずはこちらのコラムを参考にして、詳細が気になる方は厚生労働省が公開している「保育所保育指針解説」をお読みいただければと思います。
では、保育所保育指針を構成している5つの章について、それぞれ深堀りしていきましょう!
保育所保育指針 第1章 総則
保育所の役割
第1章の総則では、保育所の役割や目標の定義など、保育にまつわる基本的なことが書かれています。
未経験から保育士への転職を目指しているみなさんは、保育所の役割について知っていますか?
それぞれの方が、保育所の役割をなんとなく説明できると思いますが、実は保育所保育指針でしっかりと定義されているのです。
保育所保育指針では、
保育所は、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)第 39 条の規定に基づき、
保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、
入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。
と定義されています。
また児童福祉法では、すべての児童の生活が保障され、成長と発達、自立が図られる権利があることが示されており、これらの子どものあり方に基づいて、保育所や保育園が入園(入所)してきた子どもたちにたいして、「最もふさわしい生活の場」であることが求められています。
こういった文章はかなり表現が難しいですが、子どもたちが成長・自立することは権利によって守られているから、保育所や保育園はその子どもの成長に適した場所を提供しましょうといった解釈で大丈夫だと思います。
話は少しそれますが、保育士試験等でもこの保育所保育指針をはじめ、少しかたい文章が問題文の中で出てくることがありますが、あまり難しく考えずに自分の頭の中で整理してこういった文章を読んで理解するようにしましょう。
あまり考えすぎると、なかなか理解ができないので、口語に置き換えてみたり自分の知っている単語に置き換えてみたりと、なるべく文章を簡単にして読むことをおすすめします!
保育の目標と保育の方法
次に、保育の目標について解説していきます。
実際の求人をご覧いただければ理解できると思いますが、保育所や保育園は保育方針や保育をするうえで大切なことなどを、それぞれの保育園で定めています。
地域によってや保育園の規模によっては、それぞれが保育方針を考えることが一番望ましいでしょう。
保育所保育指針で掲げているのは、保育園が掲げている保育指針の前提には、共通の目標がなければならないということ。
それは、子どもの保育を通して「子どもが現在を最も良く行き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」ことと、入所する子どもの保護者に対し、その援助に当たるということ。
それぞれの保育園は、この基本的な目標を前提に、それぞれの特色を生かした保育指針を掲げているのです。
また保育の方法についても、ここでは言及されています。
以下抜粋ですが、保育士として重要なマインドであるため、しっかりと頭に入れておきましょう。
特に未経験から保育士への転職を考えている方にとっては、こういった意識などをしっかり学んで、働き始めることが非常に重要となります。
身近な人との信頼関係の下で安心して過ごせる場において、子どもは自分の意思を表現し、意欲をもって自ら周囲の環境に関わっていく。
このことを踏まえ、保育に当たっては、一人一人の子どもの主体性を尊重し、子どもの自己肯定感が育まれるよう対応していくことが重要である。
保育所保育指針 第2章 保育の内容
次に第2章の保育の内容について簡単に解説していきます。
この章では、第1章の総則を踏まえて、子どもたちにとって生活する場である保育所・保育園において、どれだけ保育の内容が重要かが示され、また保育園や保育所の保育計画が大切なことが書かれています。
また、子どもが安心を感じる環境において、充実した活動ができるか、保育所や保育園が提供する保育を通じて、子どもが資質や能力を成長されることができるかといったことが具体的に示されています。
いくつか重要な部分を記載していきますので、概要を押さえておきましょう。
乳児保育においての基本的事項
ここでは、乳児期の子どもに対して、どのようなスタンスで保育をおこなっていくかについて記載がされています。
乳児期の子どもはまだ、自由に動くことも難しく、言葉を発することもできません。
そのような自由度が高くない、乳児に対して、どのようなことを注意するべきか、どのようなことに意識すべきか。
未経験から保育士への転職を目指す方は、まずは概要だけでも押さえておきましょう。
乳児と関わった経験がない、保育士未経験の方は乳児への保育について分からないことも多いでしょう。
まずは、どのような意識で望むべきか、どのようなスタンスで望むべきかを1度事前に頭に入れておきましょう。
見ておくべき部分を抜粋しますので、一度読んでおきましょう。
乳児期の発達の特徴を踏まえて、乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要である。
(中略)
乳児保育の「ねらい」及び「内容」については、身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」、
社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う」及び精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ」
(中略)
「生命の保持」及び「情緒の安定」に関わる保育の内容と、一体となって展開されるものであることに留意が必要である。
乳児に保育について詳しく知りたい方は、こちらのコラムも参考にお読みください!
未経験から保育士を目指す方は知っておきたい、乳児保育って何?
1歳以上3歳未満の子どもの保育においての基本的事項
乳児期に対して、1歳にもなると運動機能が発達します。
徐々に身体機能も自立し、言葉もだんだんと話せるようになってきます。
この時期については「自分でやらせてあげる」ことが重要だそう。
未経験から保育士への転職を考えている方は、乳児期からの子供の変化をしっかりと理解し、自由にさせるという保育を実践する時期の子どももいるようです。
以下、重要な部分を抜粋しておりますので、こちらも一度目を通しておきましょう。
食事、衣類の着脱なども、保育士等の援助の下で自分で行うようになる。
発声も明瞭になり、語彙も増加し、自分の意思や欲求を言葉で表出できるようになる。
このように自分でできることが増えてくる時期であることから、保育士等は、子どもの生活の安定を図りながら、
自分でしようとする気持ちを尊重し、温かく見守るとともに、愛情豊かに、応答的に関わることが必要である。
3歳以上の子どもの保育においての基本事項
3歳以上にもなると、子どもと言えど、基本的な動作は自分1人でできるようになっています
身体的機能は完全に自立し、生活が1人でできるように。
行動と言葉のできることが増え、興味関心が多感な時期になります。
この時期の子どもへの保育については、協調性をもちながらも、自分としての成長もサポートしてあげられるような保育士としての活動ができると良いでしょう。
こちらも重要な部分が抜粋するので、1度読んでおきましょう。
理解する語彙数が急激に増加し、知的興味や関心も高まってくる。
仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや協同的な活動も見られるようになる。
これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならない。
未経験から保育士への転職を考えている方で、保育士の基本的な知識について学びなおしたいと思っている方は、こちらのコラムも参考にしてみてください。
未経験から保育士へ。保育士未経験から保育士転職を成功させよう!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は前回のコラムに引き続き、保育所保育指針について解説をしていきました。
今回は第1章と第2章について、深堀りして解説していきましたが、なんとなく理解ができたのではないでしょうか?
厚生労働省が公開している「保育所保育指針」を実際に読んでみると、ボリュームが多すぎて読むのも一苦労ですし、難しい言葉などが出てくるので理解にも時間がかかると思います。
このように自分が理解しやすい言葉でまとめてみると、非常に理解が深まるとともに、自分が保育士としてどのように行動していくべきかというのがなんとなくイメージできるのではないでしょうか?
未経験から保育士への転職活動を考えている方は、ぜひ保育士としてどのように働いていくべきか、どのようなスタンスで働くべきなのかについても、自分の頭で考えても良いと思います。
目の前の転職活動だけではなく、自分が保育士となった際にはこう働きたい!という理想像をもっても良いと思います。
その自分で考えた結果や理想の姿というものが、転職活動の中での面接や履歴書などでも生かされるはずです。
また保育所保育指針を理解したうえで、様々な保育園の求人を見ても面白いと思います。
保育園によっては保育指針も全然違ったり、意外と似ている部分があったりと、見ているだけでも勉強になると思います。
次回も引き続き、保育所保育指針について解説していきます!
今回のコラムも最後までご覧いただき、ありがとうございました!