保育士の離職率が高い理由とは？定着しない理由や職場選びのポイントを紹介

保育士の離職率が高いのは…なぜ？

このような疑問にお答えします。

この記事では『保育士の離職率が高い理由』について解説していきます。後半部分では「保育士の主な離職理由」や「離職率の低い保育園への転職する方法」もご紹介しておりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

【目次】
保育士の離職率が高い理由とは？
保育士の離職率が高い理由とは？私立・公立保育園の保育士の離職率
 保育士の離職率が高い理由とは？保育士の経験年数と離職傾向
 保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職理由
 保育士の離職率が高い理由とは？離職率の低い保育園への転職方法とポイント！
保育士の離職率が高い理由とは？離職率が低い保育園に転職したい方へ

保育士の離職率が高い理由とは？

結論を申し上げますと、保育士の離職率は高いとはいえない状況です。厚生労働省が2020年に発表した「保育士の現状と主な取組」によれば、保育士全体の離職率は9.3％となっています。この数字は、日本の平均離職率である15.4％と比較すると、むしろ低い水準にあります。しかし、この数字を単純に「低い」と判断するのは早計かもしれません。同報告書では、全国には約59万人の保育士が働いているとされており、9.3％の離職率は「年間約5.5万人」が職を離れていることを意味します。したがって保育士の離職率は、一概に低いとはいえないのです。なお、保育士は子供の成長に直接関わる重要な職業であるため、一人の保育士の離職が子供たちや保育の質に与える影響は小さくありません。また、保育業界は慢性的に人材不足であるため、「年間約5.5万人」の離職者数は大きな課題となっています。このように、保育士の離職率は統計上は高くないものの、その影響の大きさや業界の現状を考慮すると、決して楽観視できる数字ではないといえるでしょう。「保育士の離職率（3年以内）と退職理由、なぜ離職率が高いといわれる？」や「保育士の離職率は実は平均以下！全国や他業種と比べた保育士の実態」でも同様のことを伝えています。

保育士の離職率が高い理由とは？私立・公立保育園の保育士の離職率

保育士の離職率は、勤務先によって大きく異なります。特に、私立保育園と公立保育園では、その運営形態や労働環境の違いから、離職率にも顕著な差が見られます。厚生労働省が2020年に発表した「保育士の現状と主な取組」のデータを基に、両者の状況を詳しく見てみましょう。

【保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職率1】私立保育園

私立保育園の保育士離職率は10.7％と報告されています。この数字は、日本の平均離職率である15.4％と比べるとやや低いものの、保育士全体の離職率9.3％よりは高い水準です。したがって、私立保育園の保育士の離職率は低いとはいえないのが実情です。なお、私立保育園の離職率が高めな理由としては、園による待遇の差が大きいこと、労働条件や保育方針の違いによるミスマッチ、そして経営状況による不安定さが考えられます。これらの要因が、保育士の職場選択や継続的な就業に影響を与えていると考えられます。

【保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職率2】公立保育園

公立保育園の保育士離職率は5.9％と、私立保育園はもちろん、日本の平均離職率15.4％と比較しても非常に低い水準にあります。公立保育園の最大の特徴は、その安定性です。保育士は地方公務員として雇用されるため、雇用の安定が確保されています。また、自治体内で異動があるものの、基本的な労働条件は統一されているため、公務員として充実した福利厚生制度も整っています。したがって、公立保育園の労働環境は極めて良好だといえるでしょう。なお、公立保育園の離職率が低い主な理由としては、安定した給与体系、充実した福利厚生、そして明確なキャリアパスが挙げられます。

両者の比較から見えてくるのは、私立と公立の保育園にはそれぞれ長所と短所があるということです。私立保育園は柔軟な運営や特色ある保育が可能ですが、待遇面での不安定さが離職につながることがあります。一方、公立保育園は安定した雇用環境を提供していますが、柔軟性や昇進の機会という点では私立に劣る部分もあります。保育士の離職率を低減し、質の高い保育を持続的に提供するためには、私立・公立それぞれの長所を活かしつつ、短所を補完する取り組みが必要となるでしょう。「保育士の離職防止対策を徹底解説！原因や人材定着へのポイント」でも同様のことを伝えています。

保育士の離職率が高い理由とは？保育士の経験年数と離職傾向

厚生労働省が2020年に発表した「保育士の現状と主な取組」のデータによると、経験年数の浅い保育士が全体の中で大きな割合を占めていることが分かります。具体的には、経験年数2年未満の保育士が全体の15.5％、2～4年未満が13.3％、4～6年未満が11.1％となっています。これらを合計すると、全体の39.9％、つまり約4割の保育士が経験年数6年未満であることが明らかになりました。さらに注目すべきは、経験年数が増えるにつれて、その割合が徐々に減少している点です。このデータは、一定数の保育士が数年の経験を経て離職していく傾向を示唆しているため、由々しき問題です。経験を積んだ保育士の割合が減少していることは、貴重な人材が失われるだけでなく、組織全体の知識や経験の蓄積、そして円滑な技能伝承を困難にしています。また、保育の質の維持・向上にも大きな影響を及ぼします。したがって、新人保育士への支援強化はもちろん、中堅・ベテラン保育士が継続して働きやすい環境づくりが急務だといえます。具体的には、給与体系の見直し、キャリアアップの機会提供、ワークライフバランスの改善などが必要でしょう。「保育士の離職率の現状と理由、離職率を下げるための対策を紹介」でも同様のことを伝えています。

保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職理由

保育士の離職理由では、どのような理由が多いのでしょうか。ここでは、保育士の主な離職理由をご紹介します。

【保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職理由1】仕事量が多い

保育士の仕事は、子供たちの直接的なケアだけにとどまりません。保育記録の作成、行事の準備、保護者対応など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。そのため、場合によっては勤務時間内に作業が終わらず、持ち帰り仕事が発生することもあります。このような恒常的な多忙さが、離職の大きな要因となっています。「保育士の離職率と退職理由を総まとめ！辞める原因トップ3は？」や「離職率の高い保育園の特徴とは。保育士が離職をする理由と低離職率の園を探すときのポイント」でも同様のことを伝えています。

【保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職理由2】仕事量に対して給与が見合わない

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均給与は、女性が268,900円、男性が306,600円となっています。男女ともに給与から保険料などを差し引くと、手取りは23万円前後と低い水準です。もちろん、一般事務や販売員なども給与水準が低いため、保育士だけが特に低いとはいえません。しかし、保育士の業務負担や責任の重さ、人間関係のストレスなどを考慮すると、「仕事量に対して給与が見合わない」という声が出るのも不思議ではないでしょう。「保育士の離職率は本当に高い？その理由や職場選びのポイントを解説」や「保育士の平均の離職率は？なぜ高いのかも解説」でも同様のことを伝えています。

【保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職理由3】人間関係がうまくいかない

保育の現場では、同僚や上司との関係はもちろん、保護者との関わりも重要です。そのため、多くの人との関わりがストレスの原因となることも少なくありません。特に、保護者対応の難しさは多くの保育士が感じる課題です。良好なコミュニケーションを維持することの難しさが、離職を考える一因となっています。「保育士の離職率は高い？低い？定着しない理由や職場選びの秘訣を解説」や「みんなが保育士を辞めたい理由を聞いてみました」、もしくは「保育士として就業した者が退職した理由」や「保育士が辞めたい理由10選！仕事がつらいと感じる原因と解消方法」でも同様のことを伝えています。

【保育士の離職率が高い理由とは？保育士の離職理由4】体力がもたない

保育の仕事は身体的に非常にハードです。子供を見守るだけでなく、おんぶや抱っこといった作業も数多く発生します。そのため、体力的な負担を理由に退職する保育士も珍しくありません。「保育士を採用しても辞める人が多い理由は？入社後3年以内の離職率についても解説」や「保育士の離職率は高い？辞めたくなるのはなぜ？辞めるときに考えたいこととは？」、もしくは「【保育士を辞めたい！】よくある理由や辞めた後の選択肢を紹介」でも同様のことを伝えています。

保育士の離職率が高い理由とは？離職率の低い保育園への転職方法とポイント！

理想の保育園への転職を希望する方は、ぜひ以下の内容を参考にしてくださいね。離職率が低い保育園に転職するためには、転職前の「職場選び」が重要です。ここでは、「良い職場に転職する方法」をご紹介します。

【保育士の離職率が高い理由とは？職場選びのポイント1】転職先の福利厚生について調べておく

まずは、転職先の保育園の福利厚生について確認しましょう。具体的には、産休・育休の取得率や復帰後のサポート体制、柔軟な勤務時間制度の有無などを調べることが重要です。転職先の保育園の福利厚生について把握することで、自分に合った職場環境を見つけやすくなります。事前に情報を収集し、しっかりと確認することが成功への鍵となるでしょう。「保育士の離職率は高い？データを用いて徹底解説」でも同様のことを伝えています。

【保育士の離職率が高い理由とは？職場選びのポイント2】職場見学をする

転職をする際は、まず興味のある保育園を訪れ、職場の雰囲気や保育スタイルを肌で感じることが重要です。園の様子を自分の目で見ることで、求人情報やホームページからでは分からない、園の雰囲気をつかむことができます。また、職場見学の際に質問することで、「時短勤務制度」や「職員のサポート体制」などについて知ることができます。したがって、転職を考えている方には、職場見学をおすすめします。「保育士の離職率が高い原因は？」や「保育士の離職率の実態とは？やりがいを持てる職場の見つけ方も解説！」でも同様のことを伝えています。

【保育士の離職率が高い理由とは？職場選びのポイント3】口コミを確認する

口コミには、実際の「保育園の様子」が書かれています。したがって、転職する際は保育園の口コミを確認することが重要です。口コミを通じて、応募先の保育園が「働きやすい保育園かどうか」を知ることができるでしょう。「意外と低い！？保育士の離職率について紹介！」でも同様のことを伝えています。

【保育士の離職率が高い理由とは？職場選びのポイント4】保育士の転職に特化した転職サイトを利用する

保育士向けの転職サイトは、保育業界に特化しているため、一般的な求人サイトと比較して、より詳細で豊富な保育園情報を提供しています。したがって、自分の希望に合った保育士求人が見つかりやすくなります。また、保育士の転職に特化した転職サイトでは、給与や勤務時間といった基本的な条件はもちろん、園の雰囲気や特色ある保育プログラムなども確認できます。そのため、保育士の転職に特化した転職サイトを利用すれば、自分の理想とする保育園を見つけやすくなるでしょう。

保育士の離職率が高い理由とは？離職率が低い保育園に転職したい方へ

離職率が低い保育園に転職したい保育士さんには、転職エージェントの利用をおすすめします。転職エージェントを利用すると、転職に関するアドバイスだけでなく、「履歴書の作成」や「面接の練習」などもサポートしてくれます。また、応募先の保育園の「離職率」や「職場環境」についても教えてくれます。さらに、転職エージェントには、求人サイトには掲載されていない「非公開求人」が存在し、競争率が低い「優良企業の求人」を紹介してくれるかもしれません。理想の保育園へ転職するためにも、ぜひ転職エージェントを利用しましょう。